プラウ ザ ネクスト

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新潟県

佐渡観光の復興と新たな資源を探る
二十一世紀のきらめきコミュニティーづくり「地域『創新』への挑戦」−「プラウ・ザ・ネクスト」(新潟日報社を含む東北八新聞社協議会の主催、アサヒビール・JR東日本・三菱自動車工業ほかの協賛)の新潟プラウ第二ステージが「佐渡観光の復興と新たな資源を探る」をテーマに十一月九日、両津市加茂小体育館で開かれた。ワークショップでは島内の新しい資源を活用した「体験交流滞在型観光」のネットワークづくりの方策など話し合われた。「プラウ・ザ・ネクスト」は本県と東北六県の七つの地域と八新聞社が一体となり、きらめくような広域東北圏ネットワークの創造を支援するプロジェクトで、各県ごとに「地域プラウ」を展開し、その成果を総括シンポジウム(十一月三十日・山形市)に持ち寄り、発表する。魅力と活力ある地域創造を支援するため、今年から三カ年計画で展開されていく。

ワークショップ
地域資源の活用とネットワークづくり
最初に「NPOちんじゅの森」の創作民話を鑑賞した後、「新しい地域資源の活用と佐渡全島をつなぐ仕組みづくり」をテーマに、約五十人の参加者が七つのグループに分かれて、ワークショップが開かれた。
まず、自己紹介から始まり、佐渡をイメージした心象図を各人が一枚ずつ絵に描いた。それを体育館の壁に張り、自分のイメージを発表した。こうした行為によって、参加者は「人は何かに魅力を感じ、心を動かされるか」が見え、次の「人が動くキーワード探し」の課題の中で、各人が「佐渡ものがたり」を徐々に形づくっていった。
これを受けて、グループ内の意見交換が行われた。あるグループでは「どこにもない魅力をつくり上げ、これを積極的にアピールするキーマンの大切さを感じた」とリーダーシップの必要性を強調していた。また、別のグループからは「佐渡には道路地図しかない。一人で歩くための地図がほしい」という指摘や「佐渡の隠れた自然、霊跡、トキをもっと全国にPRすべきだ」など多くの意見が出された。
トキなどもっとPR旅館民宿 受け入れ態勢の整備を
続いて、ワークショップのまとめに入り「どのような仕組みで」「どのような仕掛けで」そして「あなたができることは」の三点を各人が用紙に書き、それをグループごとに一つにまとめて、全員の前で発表した。
この中で「新しい仕掛けや仕組みをつくらなくても、今ある仕組みを活用することが大切」という意見や「お客が望む旅館や民宿をきめ細やかにあっせんする制度づくりが必要」という話も出た。
このほか、佐渡にしかできない料理の開発、一人勝ちしない共同体づくり、観光客データベースづくり、地元をよく知るために「佐渡学」を学校で学ぶなど建設的な提案もなされた。
また、「佐渡自体がこれから島内全体として何を目指していくのかという“大理念”がない」「このような状況では細やかな仕組みなどは話し合えない」といった手厳しい苦言を呈したグループもあった。

鷲崎の「山居の池の物語 おせんと蛇王丸」
NPOが創作民話を上演
五十年ほど前まで、実際に鷲崎で雨ごいの儀式が行われていた。その儀式に参加した八十代の女性の話を基に、「山居の池の物語」が作られた。
創作劇は「昔々のことじゃ」から始まった。観客は幼児から七十代の男性まで約六十人。おせんと蛇王丸が山居の池でのんびり暮らし、おせんが身ごもり喜び、死産して悲しみにくれる様子に観客は引き込まれた。
そして、クライマックス。日照りが続いたため、おせんは雨ごいのために龍となって天に昇り、後を追った蛇王丸が満月の下で二匹の龍を見つけた場面が語られた時、会場にいた三歳ぐらいの女の子が楽しそうに声を上げながら、まるで龍の子のように床に腹ばいになり、くるくる回っていた。会場と舞台が一体となった創作劇は「おせんと蛇王丸は今でも鷲崎の村を見守っているのじゃ」の語りで終了した。

講評
プラウフェロー代表 志賀秀一氏
今日の第二ステージを終えての感想を私なりに述べてみたい。
この七月の国会で小泉首相が「観光立国」を初めて宣言したことで、観光への国の予算が増え、今までになかった動きが出てきている。しかし、現実には先行きへの不安を持っている地域や観光関係者が多いようだ。
こうした中で佐渡は可能性や期待度が高いと思う。これから佐渡にとって重要なのは、時間とお金を掛けてくる目の肥えた観光客にどういう地域を見せるかということ。そのためには観光資源を地域に根ざした歴史や文化、人や神社仏閣などの固有性あるものにし、目を向け、磨き、つなぎ、外に出て訴えることが必要になる。
そして、観光客のためだけに何かを見せるというのではなく、地元でどれだけ楽しい日常生活を送っているのかを見せることも大切になる。  二十年、三十年後に、「観光」という花を咲かせるためには、今議論し、種をまき、仕掛けておかないと間に合わない。今日のような場に業種も年代も異なる人たちが集まり、観光という視点で地域を考え、種をまくきっかけづくりができればうれしい。
そして、佐渡を中心とした観光や人とのつながりや出会いを、新潟にとどまわらず青森や秋田など東北七県に紹介することで、「プラウ・ザ・ネクスト」の役割が果たせていくのではないだろうか。

『新潟プラウ』第1ステージ
民話に足掛かり求めて
鷲崎
「新潟プラウ」第二ステージに先立って九月六日、佐渡の北端・両津市鷲崎で「地域に根ざした資源を掘り起こそう」と、地域本来の姿を映し出している「民話」をテーマに第一ステージが開かれた。
これは人々に民話への関心を深めてもらうとともに、観光資源としての活用を考えようとするもので、会場となった鷲崎の観音寺講堂には地域の親子やお年寄り、それに新潟方面からの観客やスタッフ合わせて約五十人が集まった。最初に「NPO法人ちんじゅの森」(代表・中尾伊早子さん)の「海の民、山の民」という二人芝居が始まった。山を必死に下りる若者のこっけいな姿に、観客の子どもたちは顔を見合わせて笑いこけるなど会場は楽しい雰囲気に包まれていた。また、「赤泊演劇研究会」(菊池太一会長)による三つの民話劇で「佐渡おけさ」が歌われると、会場から自然に手拍子が起こった。
続いて、菊池会長、中尾さん、観音寺住職の梶井照陰さんの三人と、コーディネーターの「NPO法人まちづくり学校」の大滝聡さんによるトークセッションが行われた。「鷲崎には本当の森が生活の場の身近にあるので感動した」と中尾さんが述べると、梶井さんは「鷲崎でも民話を子どもたちに伝えていきたい」と話し、菊池会長も「地域の活動はみんながいるからできる」と語った。最後に中尾さんから「鷲崎の民話を創作劇に」という提案も出された。
【特定非営利活動法人「NPOちんじゅの森」】
古来より、人と自然とが密接にかかわる場であった鎮守の森を生活文化の場として見直そうと、2001年6月に発足した。東京を起点に、明治神宮の森などでコンサート開催や創作民話を演じたり、森の調査などを行っている。スタッフは八人。
(2003年11月21日新潟日報朝刊より)

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