プラウ ザ ネクスト

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青森県

広域東北圏7県の未来像探る
「プラウ・ザ・ネクスト」青森
広域東北圏の七県が地域「創新」を目指し、東北全体の未来像を探る「プラウ・ザ・ネクスト」の一環として、「青森県地域プラウ」が十一月八日、青森市の青森公立大で開かれた。会場に詰め掛けた参加者たちが、基調講演や事例報告、パネルディスカッションを通じ、「地域主権の確立」「地域産業の再生や創出」「それを担う人の育生」などについて考え合った。各県の地域プラウは、十月二十九日の宮城を皮切りに、十一月十五日の福島まで順次開かれた。三十日には山形市の東北芸術工科大学で「総括シンポジウム」を行い、成果を発表し合った。
地域づくり楽しもう
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志賀秀一氏 世の中が変化する中で青森が生き残っていくためには、目線や発想を変え、自分たちで地域づくりのビジョンを持って活動していくことが必要だと思うが。
島康子氏 あおぞら組は、マグロをデザインしたTシャツを作り、ホームページでPRしたりしている。まちおこし集団をつくったのは「とにかく面白がりたい」という気持ちから。本州最北端という劣等感から抜け出そうと都会に行って働いたが、五年前にUターンしたとき、今まで見えなかった古里の魅力に気付いた。言葉の面白さ、お年寄りが元気なこと・・・。一つ一つがすごく新鮮で感動した。それを全国に発信したいな、と思ったのが活動の出発点。
志賀 見方を変える点や、地域に潜在する素材を引っ張り出して活用する点は、ほかの二人の話にも共通する。
小笠原雅彦氏 東京の友達に「奥入瀬渓流を馬で歩いたら格好いいんじゃない」と言われたのがきっかけで、乗馬トレッキングを実現させた。ローカルをどう掘り下げたらいいのかを、外からの視点でアドバイスしてくれるのが地域の外の仲間たち。ネットワークを持つと、全く違う面から面白さが見えてくる。
志賀 活動している人自身が「面白がる」「楽しむ」というのがキーワードのようだが。
佐々木俊介氏 初めから観光客など地域の外の人を喜ばそうとすると、ほかと同じような活動になりがち。住人自身が楽しみながらやりたいことをやっている。その結果として外の人たちを魅了する。地域の魅力は、そこに住む人が魅力的で輝いているかどうかだ。
志賀 東北では自分たちを否定的にとらえる傾向があるが、「いい所だから来てください」と言えるように意識を変えることが必要では。
佐々木 良さを理解してもらおうというプレゼンテーション能力が日本人全体に身に付いていない。良いものを持ちながら胸を張って表現できず、知ってもらう努力をしないから損をしている。
島 青森をはじめ東北の人は、発信する力が弱かったように思う。大間でも今までは、ここに来てもらう努力が足りなかった。マグロを使ったPR部隊を派遣したりして、大間を好きにあってもらおうというアプローチをようやく始めた。
小笠原 私は十和田湖の旅館の経営者だが、ここが楽しいところだと伝えるためには、私自身が遊びにたけていないとだめ。それと同じで、東北では住む人全員がエンターテナーになるべきだ。このネットワークの時代に表現する力を磨かなければ、せっかくの資源が無価値になってしまう。
志賀 最後に、今日のテーマの「青森の地域の可能性」を踏まえて具体的な提言を。
小笠原 交流が非常に大切だと思う。この場をきっかけに、多くの人を巻き込みながら活動していきたい。
島 「今できること」を、大間だからこそできること、などそれぞれの地域に置き換えると、目指すべきことがはっきり見えてくる。そこを徹底的に磨けばいいと思う。
佐々木 大学を地域づくりの一つの拠点にしたい。学生もどんどん参加させて、私たちの次の世代をつくっていきたい。

見方変え動き出せ 自然と融合できる産業を
青森「創新」の時代へ
佐々木氏 基調講演
 青森には豊かな自然、風土、文化があるが、その良さを思い切ってPRしていない。これまでの見方、考え方を少し変えればいろんなことが見えてくる。「見方を変えよう」「外からの目線に立とう。外とつなごう」の二つを言いたい。
「見方を変える」ということでは、まず箱モノづくりをやめ、「ソーシャルキャピタル(社会資本)」、つまり青森の人は何を大事にしているのか、社会の規 範や価値観、社会を安定的に運営していくためのシステム、地域のブランドやイメージ、人材育成−など社会資本づくりに力点を変える必要がある。
次に環境問題。産業廃棄物の不法投棄は日本全体の問題だ。これを解決できる仕組みを青森県がつくると、世界に発信できる。青森県は、地元の資源を活用した産業を育てていく必要がある。自然とうまく融合できる産業をつくることが一つのテーマである。
二つ目は「外とつなごう」。自然環境、自然資源を生かすのは青森にとって当たり前の話。環境は、守り、つくらなければいけない。青森はこれだけ自然大事 にしているんだ−というメッセージを、外国や大都市から来た人に伝えるのは非常に大切なこと。雪や冬の寒さも地域の資源として積極的に生かすべきだ。
日本の農林水産業の技術は高い水準にある。それを海外に結び付けよう。今は知恵や情報で食べていく時代。農林水産業の技術や経験を知的財産権として確立させ、それらをアジアスタンダードにする意気込みで、経験や人材を海外に結び付けていくことが大事だ。
そしてチャレンジ型の人間を地域に入れよう。地域のリーダーには、そこで生まれ育った人より、外で武者修行をしてきた人や、全くのよそ者が頑張っている ことが多い。そういう人がまだまだ埋もれていると思う。外に出ていろんな経験をした人が地元にうまく循環し、頑張れるような仕組みがあるといい。
私はやはり青森の環境を大事にしたい。面白い青森にしたい。まず動こう。動けばまた次が見えてくる。

道州制をにらんだ新幹線効果を創る
規制緩和で人材呼び込め
小笠原氏 事例報告
新幹線効果を十二分に得るためには、考え方や姿勢を考えなければいけない。青森以外の地域の人の価値観を理解して行動することが大事だ。
奥入瀬渓流を歩行者天国にしたいと思っている。土砂崩れで全面立ち入り禁止になった時、許可を得て撮影に入った。あらためて奥入瀬のすごさに気付き、乗馬トレッキングをやった。馬に乗って湖の中をじゃぶじゃぶ歩く。奥入瀬渓流を車両通行止めにするとこんな空間が生まれる。
新幹線八戸駅の開業時には十和田湖で「ドラム缶露天風呂」。「誰が入るんだ」と言われながら、真冬の二月にもやったら入ったのは皆二十代の女性。大成功だった。
「直会(なおらい)」という言葉がある。人々が集まり、食事をし、酒を飲み、歌い踊る。コミュニケーションを持続させるのに大切なこと。それが今、日本から失われつつあるという時に、こんな露天風呂に入ってダッチオーブンで一緒に食事したらおいしいよ、と言うように観光産業はいろんなことができる。
東京発の新幹線は中央主権で道州制とは矛盾するが、道州制を考える場合にまず必要なのは規制緩和。日本は規制でがんじがらめの国だが、東北には規制がないとなると必ず需要が発生する。規制が緩和されれば世界中から人材が集まる。そういう青森、東北をつくればいいと思う。
(2003年11月27日東奥日報朝刊より)

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